南の龍
第9章 祭り
「美椰!美椰!」
輝が私の腕をぐいぐい引っ張ってくる。
「な、何?」
「何ってもう放課後だよ?」
「そっか……って、えぇ〜!」
私は、俊から名前を聞いてちょっと喋ってから寝てしまったらしい。
しかも、10時から今の16時まで……。
「ゔっ」
「えっ!?なに?俺なんか悪いことした?」
私は、下を向いてるから輝の顔は見えないけど、多分すごい困惑の表情をしてる。
「お昼食べ逃した」
「えっ?なんだそんなことか!びっくりしたぁ」
「そんなことって!一食逃したんだぞ!」
「でも、今日は祭りだよ?」
「…祭り……?」
「うん!だから行こ!そんでいっぱい食お!」
「おい!輝!早くいくぞ!」
「えっ、でもまだ早いよ!祭り5時30分からだし!」
「マジか……」
私は、かなり乗り気だったからすごく落ち込んだ。
あと、一時間半……。
待ってらんねぇ!
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