南の龍
第6章 事件
「ミ〜ッケ」
5人の中の一人がそーいった。
顔全体を隠すヘルメットを被ってるから声が少しくぐもってるけど、男の声だ。
多分、5人とも全員男。
こいつらマジなんのつもりだよ。
「ちょっとお前に用があるんだよ」
さっきと同じやつがそー言った。
「なに?」
いちよう聞いてみる。
100%近くないけど、もしかしたら道を聞きたいだけかもしれない。
財布とか落としたから、見てないか聞きたいだけかもしれない。
「ちょっと拐われてくれない?」
私の少しの願いは、当たり前のように叶わなかった。
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