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S・受付嬢・25歳『らしさ』

第4章 S・受付嬢・25歳『らしさ』(4)

エッチのあとはまったりピロートーク。
話題はやっぱりお互いの生き方。夢の掴み方。


カズと彼女は似たもの同士。

誰かを一番にはしないくせに、誰かの一番になりたがる。
それぞれ事情や背景は違うけど、お互いに共通するところがある気がします。

そして夢のために、いつかは終わる生き方。
終わらせなければならない生き方。

そんな道を歩んでることも共通点。


彼女が抱える自己満足のための関係。
そして都合の良い女として扱われている関係。

幸せなお嫁さんになるためには、これを断ち切ることが最善の道というのはお互いわかってます。

それ故、会う前に2人で何度も言い合った「1度会って終わりにはしたくないね。」って言葉は夢のためには矛盾していることも本当はわかっていて・・・


だから2人が選んだ答えは、

「もう会わないこと」


それは必然でした。
そしてそれが彼女がもっとも嫌う答えだということもわかっていました。

でも自分に甘えて、煮え切らない関係を断ち切れない彼女にとって、痛みを伴う別れも知ってほしかった。

この出会いに意味があるのなら、別れの辛さやそこから得られる心の成長を知ってほしかった。


わかっていたことだけど、口に出して確認することで切なさは募って。
交わした言葉がたくさんあるから、お互いが惹かれあうから、心が張り裂けそうなくらい痛くて。

きっかけなんて関係ない。心の底からそう言えたら楽なのに。
それでもお互いを縛ってるものはあまりにも多くて、キレイゴトだけじゃ乗り越えられない現実がある。


でもね、だからこそ、この出会いに感謝して、お互いに感謝しなきゃ。
今いっしょにいるこの時間がセピア色の思い出に変わってしまう前に。


心の深い部分でその想いを伝える一番の方法がエッチすることだってお互い考えてるから、次が2人の最後のエッチ。

涙まみれより笑顔になれるエッチをしよう。
少なくともそれが2人らしさだと思うから。

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