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二度目の初恋

第3章 *バレンタインと告白*

バレンタイン当日。


男女共に落ち着かない様子が目に入る。

そんな浮わついた空気の中、一人だけ違う雰囲気を放つ女子を見つける。



久賀彩葉。

俺の仲がいい女友達の一人だ。
………そして、俺の好きな女。


他の女子は、放課後になった途端に目的の相手の所へ向かったのに、久賀はイスから立ち上がる気配もない。


まあ、他の男に興味がないのは俺としては嬉しいけど…。



俺にはないのかよ?


そう、思ってしまう。

そうだ。
さりげなく聞いてみよう。


「なあ」


「え?」


怯えるように振り向いた久賀は、自分に声をかけた相手が俺だと確認して、安心した顔になる。


そういうとこ。
俺に気があるんじゃないかって思ってしまう。



そんなわけないのは俺が一番知ってるけど。


「バレンタインにチョコ渡す相手もいねえのかよ」

バカにするように言ったら、澄ました顔で「だから何?」の態度。


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