
もしも僕がね、
第1章 困った病人
【1ヶ月前】
「早川先生が担当する子の中でも一番若い子だと思うよ。」
「は、はぁ…いくつくらいなんですかね…?」
この病院に勤めてすぐに院長先生と担当患者達に軽く挨拶回りをしている。
この病院は田舎にあるため、比較的入院患者が少ない。
入院していると言ってもほぼお年寄りだし、通院患者もお年寄りが多くて、この病院はお年寄り達の交流の場になっているんだと院長先生が言っていた。
「彼は確か…今年で18歳だったかな?」
「そりゃ…随分若いですね。」
じいさんばあさんばっかに囲まれて大変だろうな。
「まぁ、君も私と比べると随分若いんだがなぁ…」
はっはっはっ…と笑いながら院長先生が俺の背中を叩いた。
院長先生……痛いです。
