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もしも僕がね、

第3章 遺伝

日が経つごとに…体を起こすことさえ辛くなった。


「……先生。」

「……何だ。」

愛想の欠片もない早川先生。時折眉間
にシワ寄せるのは何でだろ…


「早く買いアルバムに行かなきゃ…俺死んじゃうかもしんないよ…?」

クスッと冗談っぽく笑ってみた。それでも早川はずっと真剣な表情のままだった。


「冗談でもそういうこと言うな…」

大きな手で、くしゃっと俺の髪に触れる。
この大きな手で俺みたいな奴らを助けたのかと思うとなんだか安心した。


「そうだね……まだ俺、母さんの所に行けないや。」

そう呟いてから…深く、眠った。

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