ガーディスト~君ヲ守ル~
第2章 秘密のデート
俺はオレンジジュースを『つばき』に渡した。
「あたし…高校生なのかな?」
そう言われてみれば 、話し方が幼い気もする。
「ゆーじはいくつなの?」
「23」
「えっ!もっと上かと思った」
なんとなくムッ…。
俺、そんなに老けてるか?
「なんか白石さんより落ち着いてたから…」
「先輩は28だよ」
「そうなんだ」
俺は鏡に写った自分に目を向けた。
くせっ毛の黒髪、眠そうな俺…。
(ああ、タバコ吸いたい…)
そう言えば今日は午後から吸ってない。
テーブルには『どうぞ吸ってください』と言わんばかりに、灰皿が3つも置いてある。
それに気づいたのか、『つばき』は急いで灰皿を隠した。
「吸っちゃだめだからね!
うちのお兄ちゃんもそれで喘息になっ………あ……?」
『つばき』はまたひとつ思い出したようだ。
「そうだ、あたしにはお兄ちゃんがいたんだ…」
どこにもはまらなかったパズルが、また一つはまっていく。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える