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完熟の森

第28章 君を乗せて

「雫、ただいま」


「おかえり、千晶」


雫はいつものように抱きついてくる。


「雫、いいもの見せてやる。着替えてくるからちょっと待ってて」


僕は雫の家に置いてあるTシャツとハーフカーゴパンツに着替えて、 玄関を開けた。


「行こうか」


「出かけるの?」


「そうだよ」


「着替えなきゃ」


「そのままでいいよ。そんな遠くない」


「分かったわ」


そう言って、壁に掛かっていた車のキーを取った。


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