いつもそこには、君がいて
第1章 1 月曜日
「毎度どうも、タチバナハムです!」
いつも元気にやってくる、タチバナハムの福田さんの声が背中側から聞こえてきた。
「はいはーい、どうも」
自分の顔を仕事用の表情にむりやり戻してふり返る。
すると、売り場側のスイングドアから入ってきた福田さんは、冷凍の500g入りのナゲットを4袋も抱えていた。
「あれ、それってもしかして……」
「ああ、日付です。あさってで切れちゃうんで赤伝切っておきますね」
福田さんは手慣れた様子で、くすんだピンク色の伝票に原価と数量をササッと書き込み、残品処理を手早く済ます。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える