君がくれたぬくもり
第55章 幸せの時
「きゃあああああっ!」
大水槽はすごかった。
大きなジンベイザメと、これまた大きなマンタが優雅に泳いでいた。
百匹以上のイワシの群れがキラキラと輝く。
「うるせぇ。」
「イテッ」
パシッと小さな音を立てて、頭に軽い何かが当たる。
振り向くと、丸めたパンフレットを片手に呆れた顔をした岳がいた。
「何で叩くのー?!」
「ガキ。」
「ひど!」
ぷーっと頬を膨らます。
岳はふと手元のパンフレットを見て、「ははっ」と笑った。
「え、何?!」
「はは…はははっwww」
パンフレットを見て、
もう一度陽菜を見る。
そしてまたパンフレットを見て、
また陽菜を見る。
「なんなのー??」
「これ…www」
岳はパンフレットを陽菜の方に向けた。
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