君がくれたぬくもり
第52章 ユルサナイ
そして何の躊躇いもなく、
陽菜ちゃんの鼻をつまみ、
その冷え切った唇に、自らの唇を重ねた。
―――――
――――――
「陽菜………死ぬな…」
岳ちゃんは泣きそうな声で囁きながら、陽菜ちゃんの頬をペチペチと叩く。
そしてまた唇を重ねた。
「あれ!!?」
ずっと泣いていた怜香ちゃんが驚きの声を上げる。
みんなの視線が怜香ちゃんの指の先に向いた。
「あ………!!」
「今、手動いた!!」
みんなが喜びの声を上げる。
すると、陽菜ちゃんの目がゆっくりと開いた。
怜香ちゃんは泣きながら陽菜ちゃんに駆け寄る。
その時だった。
「バカヤロー!!!!」
みんなの肩が一斉にビクンと上がる。
叫びの主は、普段は冷静かつクールな岳ちゃんで、みんな目を丸くさせる。
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