君がくれたぬくもり
第51章 火遊び
自分の分と岳ちゃんの分のかき氷を買い、陽菜ちゃんの元に行く。
岳ちゃんのことを考えてるのか、陽菜ちゃんは儚い笑みを浮かべてた。
その姿は、女のあたしから見ても“守ってあげたい”という衝動にかられた。
……だから陽菜ちゃんが嫌いなの…。
「陽菜ちゃんって、岳ちゃんと仲良いよね。」
「え!?」
思わず口から漏れた言葉。
陽菜ちゃんは明らかに動揺していた。
「岳ちゃんから聞いたよ?
付き合ってたんだってね。」
「ま、まぁね…」
陽菜ちゃんは泣きそうになっていた。
もっと意地悪したくなる。
「別れても仲良くできるんだね!!もしかして岳ちゃんのこと、まだ好きとか…」
「……。」
あたしって底意地悪い…
聞かなくていいのに。
もし“好き”って言われたら、きっと二人は両思いだ。
「なーんて!!ありえないよね!!
だってフッたのは陽菜ちゃんだもんね。今さら無理だよね!!」
あたしは笑った。
陽菜ちゃんも笑った。
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