君がくれたぬくもり
第51章 火遊び
そして翌日、
あたしは岳ちゃんと海水浴場に訪れた。
女子はみんな更衣室に行ったらしく、男子の集団があたしを囲む。
あたしは岳ちゃんの裏に隠れていた。
すると、更衣室から見覚えのある女の子が出てきた。
「あっ!怜ちゃんたちも来なよ!岳の新しい彼女だよ!」
光くんと呼ばれる男の子があたしの手を引いて二人の元に駆け出した。
「あたしは怜香。
岳兄の妹です。」
「わぁ!岳ちゃんの妹さんですか?!」
一目でわかったよ。
岳ちゃんにそっくりで綺麗な顔立ちをしているから。
でも、あたしが気になるのはあなたじゃない。
隣の子。
「もしかして、陽菜ちゃんですか?」
「…え?」
白く透き通るような肌に、柔らかい笑顔…
淡いブラウンに染められた長い髪が太陽でキラキラしていて…
「なんで名前知ってるんですか?」
「あ、いや…
岳ちゃんが言ってた陽菜ちゃんと似てたから…。」
なんか……
想像していた子と
少し違った。
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