君がくれたぬくもり
第50章 side千夏
それから何日かして、あたしは岳ちゃんに尋ねた。
「ねぇ…元カノさんって、どんな人だったの?」
実は片思いをしている時、岳ちゃんの友達に聞いたのだ。
―――「ねぇ、岳ちゃんの好きな人って誰なの?」
――――「あいつは今も別れた元カノのこと引きずってんだ」
それを聞いて、実はすごく気になっていた。
クールで、
恋愛なんか興味がない、
とでも言いそうな岳ちゃんが
そこまで引きずる相手ってどんな人なんだろう…って。
「………」
岳ちゃんは黙り込んでいた。
聞いちゃいけないことだったのかな?
でも……
彼女はあたしだよ?
すると岳ちゃんは口を開いた。
「わがままで…淋しがり屋で…すっげえ体弱くて…俺がいないとずっと泣いてるようなヤツ。
まぁ、もう終わった話だけどな。」
「ふーん…
なんか…こんなこと言っちゃダメなのはわかってるけど…
すごくめんどくさい元カノさんだったんだね。」
あたしがそう言うと、
岳ちゃんは笑った。
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