君がくれたぬくもり
第44章 悪巧み
――――ガラガラガラ
金箔の施された襖を開ける。
入った部屋は客間なのか、綺麗に掃除されていた。
「失礼……します…」
赤いドレスから大胆に見える肩と、不安な気持ちを抑え、
布団の敷いてある方に行った。
そこにいたのは
黒髪で、筋肉質な男性。
後ろを向いているから顔は見えない。
この人が……
「あ…あの……」
「……陽菜か?」
「え?」
どこかで聞いたことのある声に顔を上げると、
彼はゆっくりとこちらを振り向く。
「あっ………」
思わず手で口を押さえた。
「どうして……」
「…迎えに来た。」
優しい笑顔…
大好きな大好きな…
岳だった。
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