
君がくれたぬくもり
第26章 再会
「あ、そうそう。明日家に行ってくるね。」
「家?何で?」
車を走らせながら輝雄は首を傾げる。
「うん。陽菜あっちの家にまだいっぱい私物あるから、それ取りに行ってくるよ。」
陽菜はあの時ボストンバッグに入る分しか荷物を持って来なかったから。
「そっか。遅くなるなよ?」
「タクシーで行くから大丈夫よ。」
――――――……
翌日
タクシーを下り、数週間ぶりの家に入る。
―――ガチャ
“キャハハハハッ”
“やめろーー”
家の中が騒がしい。
元旦だから飲み会でもしてるんだろう。
陽菜は黙って部屋に向かった。
「えっと…残りの服と…」
ボストンバッグに残りの私物を詰めていく。
すると、テーブルの上がキラリと光ったのが目に入った。
「これ……」
手にとって見ると、
それは捨てたはずの陽菜の指輪だった。
怜香が置いてくれたのか…
