
君がくれたぬくもり
第21章 サヨナラ
翌日
陽菜は岳よりも早く目が覚めた。
岳の腕枕からそっと抜け出し、顔を洗いに洗面所に行く。
たくさん泣いて腫れたまぶたに水をかけるとヒリヒリした。
「よし、もう泣かない!!」
タオルで顔を拭き、鏡の前の自分に笑いかける。
そして左手にはめられた指輪を見た。
信じるよ…
岳のこと、信じる。
――――ガチャ
部屋に戻ると岳は気持ち良さそうに寝息を立てている。
普段の顔は怖いくせに、寝顔だけは可愛いんだから…//
チュッ
陽菜はたまらずその唇にキスをした。
「………あ…れ…」
おかしいな……
もう泣かないって決めたばかりなのに……
その時、陽菜の顔に岳の手が触れた。
