アリスは処女
第1章 不思議の国
クリッジside
「姫……」
私は走り去る姫の後ろ姿を
見続けることしか出来なかった。
『姫の言う事は絶対』だから...
私は姫が見えなくなり、
当たりに誰も
いなくなった頃、城に戻った。
「クリッジさん、姫は……?」
「姫は疲れているのです。
少し、休ませてあげましょう」
「はい……」
人前ではこうやって、
何でも分かっている、何でも出来てしまうけど、本当は私も自由になりたい。
夢は
姫と愉快な動物達と森の奥で暮らして、私がお世話をすることだ。
もし姫と二人きりになったら
私は、巣の自分を出せるに違いない。
姫なら、そんな私も
受け止めてくれるだろう....
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