
アリスは処女
第6章 お出掛け
「クリッジ、
私は少し寝ることにするわ」
「はい、かしこまりました」
「お休みなさーい」
「バール、
姫にはお休みなさいませだろ。
執事長だからといって
馴れ馴れしくするな」
「俺は、執事長じゃなくてもこんなんだけど?ってか、お前は細か過ぎるの。俺と姫はずっと昔から一緒にいるんだからこれぐらい当たり前だっつーの」
「なにを言う…私と姫だって」
「あーうるさい。
男のヤキモチは見苦しいぞー」
「ば、馬鹿を言うじゃない…!
私はヤキモチなど!!」
「だからうるさいっつーの。
姫が寝たいっつってんだろ」
こんなうるさい中で
起きていては、
苛立ってしまいますから
寝ていた方がマシです。
私はマイリア城に着くまで
馬車の中で眠った。
