北斗七星
第3章 放課後
あたしは無言で名簿表を名前だけ書いてない表に書き写した。
シャーペンの書く音だけ教室に響く。
「……なんかしてよ」
静かだとやりづらい…
「だってやることねぇし」
「じゃあこれ書いてよ」
書きかけの紙を渡した。
「めーんど…」
とか言いながら素直に書いてて…
素直に……ほんと素直(笑)
「…何笑ってんだよ」
「ふふっ…別に」
「…」
宮橋は頬杖をついてまたあたしをちらりと見た。
静かな教室で目が合うと、なんか気まずい。
やだ…ドキドキする……
あたしは目をそらして、
「好きじゃない…好きじゃない…」
と言いかけた。
「は、何が?」
「えっ、聞こえてた…?」
「お前が言ったんじゃんか」
嘘……聞こえてた……?
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