刑事とJK‡番外編‡
第23章 刑事とBG~Ⅱ~
「確か斉藤さんの…」
『…はぃ、まぁ』
やだ
早く離れよう…
そう思い、ゆうひはトイレを出ようとした
「斉藤さんって、一途な人よ?」
『えっ…』
思わず足を止めた
「あたし、せっかく食べてあげようと思ったのに…
斉藤さん、それに気付くとすぐさま部屋を出て行ったわ」
残念だ
といった感じで、沙也加は肩で息を吐いた
『…』
曇りがかっていた気持ちが、徐々に晴れていく
「"あいつを待たせてんだ"って、上手く話をはぐらかされてね。"あいつ"ってあなたのことでしょ?」
曇りが取れると、急に胸が潰される思いになった
斉藤…ごめんね…
あたし、勝手に…
ゆうひは走った
広い屋敷内を走り、斉藤を探した
また、涙が滲みはじめたが
そんなことより
何より
斉藤を探した
「―――で、団蔵さんの過去の履歴とか…って、うおっ」
電話中に背中に衝撃を受け、斉藤は携帯を落としそうになった
「…え
ゆうひ…??」
後ろから、細い腕が自分を抱きしめている
「…」
突然どうしたのか不思議に思ったが
斉藤はゆうひの手を包み込み、そのまま電話を続けた
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