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ドロシーがかかしだのライオンだのブリキのおもちゃだの連れて何かをお願いしに行くような話だった気がするが、確かではない。



はあ…と息をついて再び鍵盤に指を乗せる。


さっきは平気だったけど、田中さんみたいな上手い人にこんな下手くそを聴かせるのがたまらなく恥ずかしくなってきた。


ちょっと助けを求めるように彼女を振り向こうとしたが「話しかけんなさっさと弾けオーラ」がさっきよりも増している気がしたのでしょうがなく、イントロから再び弾きはじめた。



そして歌の部分にさしかかったとき。



確かに、真横から聞こえてきたんだ。