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しあわせ。

第1章 いろいろ。




「なきむし。」

そう言って頭を撫でてくれる手が優しすぎて、少し涙が出た。


「強いて言うなら…」

「え?」


彼が頭を撫でてどのくらい経っただろう。
ふいに、口を開いた。

「欲しいもの、時計かな」

「…!」


時計。

少し時間が掛かっても、彼の欲しいもの、私のお金で買ってあげたい。


私の新しい目標だった。

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