All Arounder
第26章 Encounter
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俺は馬鹿だ
何で連絡先を聞いておかなかったんだよ…?
…いや、でも待て
街中を歩いてたら、また遭遇する気がする…
「よし。マスター、ちょっと出てくる」
「依頼人来たらどうするんだー?」
「マスターが接客しといてくれ」
バタン
と扉を閉めた後、マスターはため息をつきながら食器を片付けた
───────
この時間帯は学生なんてざらにいた
非常に探しにくい
しかも大志と同じ学校の人間の多いこと多いこと…
「…名前呼んだら出てきたりしてな…」
おっと独り言
すると、遠くでまたもや高校生の群を見かけた
その人数が半端ではない
ざっと20人くらいはいそうである
そして
ほら、またもや発見
「大志…見っけた」
その群の中央辺りに、大志はいた
しかし、どうやらいきなり喧嘩を始めるつもりはなく
どこかへ向かっているらしい
「…」
さすがに20人相手はきついかなー?
少々心配になり、井上はこっそりと後をつけていった
ああ
俺はここに来て尾行しかしてねーな…
大志を囲んだ高校生たちは、ある建物に入っていった
看板には"カラオケ・ダーツ・ビリヤード"という、ただ単語を並べただけのものが書いてある
「…」
井上もこっそりと建物に入っていった
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