All Arounder
第22章 What Should I Do ?
―――――――――――
―――――
「井上、交代だ」
「…え…あ、おー…」
井上は目をこすりながら起き上がり
覗き穴から下の様子を窺った
大志は横になり、仮眠を取る
「…」
しっかし…なかなか夜の警備が手薄にならねーなー…
普段だったらただの警備員が、時々一人でこのフロアを廻って来るだけなのに…
殺人事件のせいで、それを含めて警察もずっと二人見張ってやがる
井上は大志の方をちらっと見た
…大志はAll Arounderに誇りを持ってるからなー
何が何でも、期限までに絵を盗もうとするだろうな
つまり…明日までに…
――――――――――
「マジだりぃな…」
「あー…結局朝まで警備があったなー…」
そう、結局二人は、朝まで何もできず仕舞いだったのだ
「昼間は…捜査が入んだろうな」
「間違いねー、ったく…また夜まで待たなきゃなんねーのかよ」
それからしばらくした時だった
予想的中
フロアには続々と警官やら検察官やらが入って来た
「このフロアだけ、客の出入りを制限したのか…」
「他の階には客がいんだな?」
「ああ、どうする?昼間にやっちまう?」
「大志の好きにしろ」
大志は微笑した
「いや、夜まで待とう」
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