All Arounder
第20章 Side By Side
「では私は、このゴミたちの片付けに入ります。
お嬢様はご帰宅ください」
そう言うと、黒羽は倒れている使用人たちを車に積みはじめた
『…ありがと、黒羽』
「何てことはございません」
大志は姫の手を引いた
「帰っぞ」
『あ…うん///』
「あなた…"大志"でしたっけ?」
そう言われたので、大志は黒羽の方を見た
「だからどうした」
「お嬢様にふざけた真似をしたならば、俺があなたを殺しに行きます」
このお嬢様loveめ!!
「やってみやがれ、クロ」
『…』
クロ?
大志はもう一度反対を向き、足を進めた
『あ、大志待って』
姫はその後ろを走って追いかけた
「…」
黒羽はそんな二人を、ただじっと見ていた
二人が見えなくなると、無意識に腕が振り上がり
ガンッ!!
と車を強く打ち付け、車体にはへこみが出来た
「…お嬢様…」
喉の奥から搾り出すようにして出た言葉
苦い思いとともにグッと飲み込んだ
――――――
『あ!!』
姫は突然、Uターンした
「どうした?」
『ネックレス探さなきゃ…大志に30億が渡せない!!』
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