All Arounder
第14章 Secret Smile
『おやすみ…』
そう言い残し、姫は部屋を出ようとした
大志の部屋に寄った理由は、何となく…起きて、待っていてくれる気がしたからだった
扉に手をかけ、ほんの少し開けた時
「…姫…?」
その声に、姫は振り返った
大志は横になったまま、眠たそうな目をこっちへ向けていた
『あ…起こしてごめんね…』
急いで部屋を出ようとすると、「待って」と呼び止められた
『…どうかした?』
大志は体を起こすと、ベッドにもたれ掛かるようにして座った
「…こっち来て」
『…///』
大志が自分の右側をポンポンと叩くので、姫は躊躇しつつもそこへ座った
沈黙が、しばらく続いた
耳を澄ますと、外で虫が鳴いているのが聞こえるほど
部屋は静まり返っていた
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