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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


「……普通な要素一個も見つかんねーんだけど」

「宵の許容範囲が狭いだけだって。まったく、ウブなんだから」


 ウブとかそういう問題でもない。

 宵は大きく息をついて、晃に密着していた体を離した。そのまま下着をあげようとしたが、そうする前に晃に片腕を掴まれる。


「……なんだよ?」


 嫌な予感がして、宵はおそるおそる視線をあげた。

 切れ長の茶色い瞳と視線がぶつかる。晃は微かに首をかしげ、白々しいほど鮮やかに微笑んでみせる。


「まだダーメ」

「…………は?」


 疑問を抱くのもつかの間、晃は宵が嵌めている手錠の鎖を掴むと、それをおもいきり引っ張った。

「……っ」


 その瞬間、両手首に鋭い痛みが走る。


「……にすんだよ!」


 思わず怒鳴りつけたが、晃は構わず宵の肩をつかんだまま体重を乗せてきた。

 そのままテーブルの上に押し倒される。

 手錠の輪を繋ぐ鎖を晃に握られているめ、身動きが取れなかった。

 頭の上で両手をまとめあげられ、宵は何事かと焦った。


「まだ時間あるだろ? いいよ、俺から逃げても」

「逃げる?」

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