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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


「や……めろって」


 なるべく声のトーンを落とし、囁くようなボリュームでやっとそれだけ抗議する。

 すぐ外には人がいるのだ。宵には、男子生徒の動向が気になって仕方なかった。

 本気で焦る宵に、晃は余裕しゃくしゃくな様子でこんなことを言う。


「でもここ、こんなに大きい。なんで?」


 耳に息を吹き込むように言われ、宵は真っ赤になる。テーブルの中は暗くお互いの顔すら見えず、それだけが唯一の救いだ。


「おまえが触る……から」

「違うよ。宵が興奮してるからだろ?」

「違っ……」

「しーっ」


 つい否定する声には力が入ってしまい、晃はそんな宵の口をもう片方の手のひらで塞ぐ。


「んうっ」

「そんな色っぽい声聞かされたら、もっといじめたくなっちゃう」


 だから、時と場所を選べと怒鳴りつけてやりたい。

 宵の心情など露知らずといった態度で、晃が宵の股関においた手を、ゆっくりと動かし始める。


「ん、んう……っ」


 緩慢ではあるが、的確な場所。

 宵はとっさに、両手で晃の手を掴んで下肢から引き剥がそうとした。

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