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Memory of Night 番外編

第5章 美少女メイドを捕まえろ!


 お祭りごと自体は嫌いではないし、楽しみたいとも思っているけれど。

 嫌なものは嫌だった。

 それに、呑気に楽しめ、などと言っているけれど、晃は知っているのだろうか。

 このゲームにかけられた、はた迷惑な景品を。

 単純に、文化祭当日の話で終わらないからこそ、宵自身焦っているのだ。


「おまえ、この鬼ごっこのルール知ってんの? ルールっつーか、参加者が俺を捕まえた時の景品」

「知ってるよ」


 晃は悠然と笑った。


「俺も参加するもん」

「……は!?」


 予想外の返答に、思わずベッドの上で体を起こした。


「……参加って。なんでおまえがエントリーしてんだよ? 勝手に」

「なんかおもしろそうだし。別に宵に許可を取る必要ないだろう?」

「そうだけど……っ」


 参加者については、当日知らされることになっている。

 事前に知ってしまってもルール上は問題ないが、あえて知らせる必要もない。もちろん、逃げる側の宵に許可を取る必要も。

 晃が言いたいのは、そういうことなのだろう。


「そのゲームの景品が、ちょっと気に食わなくてね」

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