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Memory of Night 番外編

第4章 Episode of AKIRA


 しばらくは、来る者拒まず去る者追わずのスタンスを繰り返していた。

 そんな晃にも、好きな子がまったくいなかったわけではなかった。

 顔や仕草に惹かれる子はいた。

 そんな子には積極的に声をかけたし、気持ちが自分に向くように仕向けたりもした。

 けれども何かが違うのだ。恋愛感情とはどこかが違う。本気で追いかけているつもりでも、あっさり手に入ればなぜか興味は薄れてしまった。

 急速に冷めていく自分の心に、一番戸惑いや焦燥を感じていたのは晃自身だった。

 物欲や好奇心から来る興味と恋愛感情の違いが、わからないのだ。誰に対しても夢中になりきれず、恋愛ごっこを続けていた。

 もちろん最初から弄んで捨てるつもりがあったわけではないが、長続きしたためしはない。

 例え気持ちが冷めてもそれなりの彼氏を演じ続けていたつもりだが、側にいればそこに愛情がないことは、すぐにバレてしまうものなのかもしれない。別れを切り出すのはいつだって彼女からだ。

 そんな付き合いを繰り返し、気付けば人数ばかりが増えていった。

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