テキストサイズ

Memory of Night 番外編

第3章 熱々、バレンタインデー!


 一瞬そっちに意識が集中し、体の力がほんの少しだけ抜ける。

 それを狙いすましたかのように、晃は宵の両腕を強く引き腰を使って軽く突き上げた。


「っ……、あぁぁ……!」


 晃のものが粘膜を押しのけて深いところまで入ってくる。

 その衝撃に頭が真っ白になって、一瞬呼吸を忘れる。

 全身を硬直させて灰色の瞳を見開き、無意識のうちに晃の頭にしがみついていた。


「あ……あ、あ、」


 体から力が抜けず、下腹を突っ張ったような状態から抜け出せなくなる。

 体を強ばらせたまま、浅い、不安定な呼吸を繰り返す宵に、晃は囁いた。


「一度大きく吸ってみ」


 指示の通りに深く空気を吸う。


「吐いて」


 ゆっくり吐き出すと、ようやく少し楽になれた気がした。

 だが、晃の行動はそれで終わらない。

 宵の呼吸が落ち着くのを見計らって、再び突き上げてきたのだ。


「や……あぁ!」


 反射的に、立ち上がって晃のものを抜こうとするが、一瞬早く晃の左手が宵の腰に伸びる。

 へそのわずかに下辺りをがっしりと掴まれ、腰を上げることができなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ