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O……tout……o…

第1章 おとうと

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  まさか、あのかわいいしんちゃんが自分でシているなんて…
 そして夜、教えてもらったサイトを見て、それ系の男子の、初めてのアダルト映像を見て衝撃を受けた。

 まさかあのしんちゃんもあんなことを…
 その夜、本当に自分の無知を恥じた。

『フツーの男子はみんな100%してるからね、逆にしないのが異常なんだから』
 という先輩のコトバを必死に自分に言い聞かせ、それからは懸命に男子の思春期の生理を、いや、男と女の性の関係を…
 理解しようとしていった。

 だけどあの日から、どうしてもしんちゃんに対して不惑な目で見てしまう事になってしまう…
 そう、あの夜までは。

 あの夜、それは…
 夏休みの入盆の日だった。

 義父方が初盆を迎え、だが、しんちゃんがサッカー部の練習を休みたくないという事で…
 そう、しんちゃんは中一ながらサッカー部のエースとなっていた。

 そして義父の実家が山梨県というこもあり、両親だけで二泊三日の帰省をする事になった…

『じゃあ、葵ちゃんよろしくね』
 両親は朝から出発し、わたし達は部活へ向う。

 あの衝撃のレクチャーから半月以上が過ぎ、わたし自身も、あの後こっそりと教えてもらったサイトを覗き見し、色々と勉強、理解をしてきたつもりであり…
 そして時間の経過と共に少しずつ心の強張りも緩くなり、いや、ようやく17歳という大人の道を歩き始めてきていた。

 それにあのレクチャーの後に…
『わたしだって、たまに自分てシちゃったりするわよ…』
 …とか、中には…
『彼氏とシちゃった…』
 なんて衝撃の話しを聞いたりして、少しずつ抵抗が無くなりつつ、いや、興味さえも沸き始めてきていたといえる。

 そんな夏休みに…

 その両親不在の夜に…

 いや、本当はその夕方に…

 ゴロゴロゴロゴロ…

 日中の激しい暑さの反動により、夕方四時過ぎ辺りから、遠方で雷が響き始めてきていた。

 ゴロゴロゴロゴロ………

 わたしはその遠雷に気付き、急ぎ帰宅すると、どうやらしんちゃんも部活から帰宅し、シャワーを浴びて部屋で午睡をしていたみたいであった…
 そしてわたしも急ぎシャワーを浴び、ぼんやりと夕飯のメニューを考えながら、ドライヤーを当てていた。

 その時…

 ビカッ、ドッ、ドドーン…

 突然、轟音と地響きと共に雷が落ちた。



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