お兄ちゃんズに挟まる『私』
第6章 きらめき海岸オートキャンプ場 ~夜~
もっといいコースには
和牛のステーキがついて来たり
ビア缶チキンが作れるコースとかもあるみたい。
食材の持ち込みもOKみたいで
自分たちで好きなものを持ってきて
BBQを自分たちだけの
プライベートスペースで楽しめる。
ジュージューと網の上で
食材が焼けていくのを見てると
煙に乗ってお肉の焼ける
いい香りがして来るから
涎が出てきちゃいそう。
「おいしそうな…、匂いがする~」
『このぐるぐるウインナー
まりんがサービスだってさ』
光が焼いてくれてるすごい長い
ぐるぐるしたウインナーは
きらめき山にある牧場で
育てられた豚肉を使って
作られたウインナーで、追加で
注文が良く入る人気の一品。
「きらめき山に牧場あるんだ…」
『あるよ、ニジマス釣りしたり
つかみ取りしたり、子牛に
ミルクやったりひつじの毛刈りを
見学したり体験したりできるよ』
牧場のミルクでバターを作ったり、
パンやピザを作ったりできる
体験とかもできるみたいで…。
『俺はきらめき山牧場と言えば
芝滑りとゴーカートだけどな~』
「へぇ~牧場…、楽しそう…」
『んじゃ、牧場行くって事で』
ここからならバスに乗って山の麓の
ケーブルカー乗り場に行って
ケーブルカーに乗って
きらめき山の上に登って
その先はバスで牧場に行けるみたい。
春とか秋とかは…ケーブルカーを
使わないで歩いて登って行って
ハイキングを楽しむ人も多いんだって。
「海もあって、山もあって
いい所だね、きらめき市」
『なゆたの住んでた場所は?
どんな街だったの?』
どっちかと言うと下町って感じで
町工場と…小さな会社と…、
学校とか病院とかあるぐらいで
図書館と市営の小さい美術館と
昔ながらの武家屋敷とかあるぐらいで。
こんな風に歩いて行ける場所に
海とかなかったし、かと言って
自然が楽しめる山が近いって事もなくて。
『肉、食おうぜ、肉。ほら、食えよ肉』
そう言って焼けたBBQ串を
私の取り皿と翔の取り皿において来て。
光が焼いてくれたBBQを
食べ始めたら、まりんが
注文の貝セットを持ってきてくれて。
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