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お兄ちゃんズに挟まる『私』

第23章 6日目 かりきのドームシティ



『かくれんぼ…』

『かくれんぼがいいよ…』

『はるが鬼ぃ~。隠れろ~』

姿は見えないけど声が
移動しながら聞こえて
その声と一緒にパタパタパタと
3人の子供が隠れに行った。

って言うのが…音と移動する
声の位置で分かって。

『1~、2~ぃ、3~ん』

鬼の子のはるって言う子が
数字を数えてるのが…
下駄箱の方から聞こえる。

『僕達も…進んで行く感じ…かな?』

『何してんだよ、早くお前等も隠れろよ』

「ちょっと待って?やだやだっ…
なんで?…声…、私達の間から聞こえる」

適度に校内は暗いから…
スピーカーがどこにあるのか
聞こえないけど……。

私と…翔と光との間から…
確かに…別の子の声が聞こえて来て。

それも…私達の動きを
見ているのか…言って来る内容が
今の状況とマッチしてる。

声と音だけが…聞こえてて
目に見えない子供たちが
かくれんぼをしてる…。

『も~、いーかーい』

『も~、いいよ~』

かくれんぼがスタートして
鬼の子が他の子を探し始める。
鬼の子が他の子の名前を呼びながら
掃除用具入れを開けると
掃除用具入れのドアが開いて。
教室に探しに入ると、
ガラガラガラと教室のドアが開く。

『ともきくん、みぃ~つけた』

『あはは、見つかっちゃったぁ』

『しょうくん、みぃつけた』

『はる、見つけるの上手すぎぃ~』

『あれ?りょうたは?』

『りょうた~?どこだよ~?』

隠れてた子は…2人見つかって残りは
りょうたって子だけみたいだけど、
子供達の声が移動しながら
その残ってる子が見つからない。

『りょうた、ワンチャン
先に帰ったんじゃねぇの?』

そう光が言うと。

『こんなに探したんだもん、
りょうたは先に帰ったんだよ』

『俺達も帰ろうぜ、あんまり
遅くなったら母ちゃんに怒られちまうよ』

パタパタパタパタと足音が
遠ざかって行って、
帰って行ったんだなって…わかった。

『居なくなった……みたいだね…、
とりあえず…、先に進んで行く?』

校内の廊下を進んで行くと…。

ゴホッ、ゴホッ…ゴホッ…!

ゲホッゲホゲホッ…!



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