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お兄ちゃんズに挟まる『私』

第2章 サンドイッチの材料



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『なゆ~?なゆちゃ~~ん?
起きて、なゆちゃん…朝よ?』

ママの声が…聞こえて…
ガバッと身体をベッドから起こした。

階段の下から…ママが呼んでる
寝ている私を起こす声が聞こえて。

「ごめん、ママ。今起きた…から
すぐに行くから、…大丈夫~」

階段の下に居るママに聞こえる様に
ベッドの上から叫んで、
パジャマを脱いで…
体育の授業の後で使う
デオドラントスプレーを
身体にふりかけまくて
シートで身体を拭き拭きしまくって。

えっちなお汁で汚れちゃった
ショーツも脱いで…
新しいショーツを履いて服に着替えた。

バタバタバタと階段を駆け下りると
そのまま洗面所に滑り込んだ
念入りに手を洗って。
洗面をしてダイニングに向かった。

ダイニングテーブルには…
新聞を広げてコーヒーを飲んでいる
誠さんと…、双子のお兄ちゃんズの姿。

一番最後にテーブルに着いた
私の前に…ママの特製の
目玉焼きが乗ったプレートが置かれる。

私を起こしてから食パンを
焼いたのかチンとトースターの音がして
焼きたてのトーストを食べやすく
斜めにカットを入れてくれて
プレートの丁度トーストが乗るだけ
空いているスペースに置いてくれる。

『ごめんねぇ~、お腹空いたでしょ?
翔くん、光くん、なゆちゃんが
お寝坊さんしたせいで朝ご飯
遅くなっちゃったもんね…』

「ご…ごめんな…さい…ッ」

『そう言わなくても…いいじゃないか、
なつな。こうして家族全員が
テーブルに揃ったんだ…、
なつなが用意してくれた朝食が
冷めない内に頂きますにしようか』

そう誠さんが言ってくれて、
家族全員で頂きますをした。

朝食の間は…なるべく…向いに
座っているふたりを見ないようにしながら
ママと誠さんの夜の事を思い出して、
誠さんから話を振られたら
ギクシャクした返事を返してしまっていた。

「ママ……、私が…後はして置くから…」

起きて来たのも最後だったら、
朝食を食べ終わるのも最後なので
食洗器に入れるのは…自分が
その役目を買って出た。




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