お兄ちゃんズに挟まる『私』
第9章 きらめき海岸オートキャンプ場 ~朝~
「まりんさん、これ…昨日
お借りした水着なんですけど…。
水洗いしただけで…ちゃんと
洗ってなくて申し訳ないんですけど…」
借りる時に洗わなくていいとは
まりんが言ってたから…、
まりんのお言葉に甘えさせて貰って
水洗いで干しただけで
返しちゃったんだけど。
『(ねぇ…、なゆたちゃん、
あの後、…ふたりに
可愛がられたんでしょ?どうだったの?
大丈夫だった?ヤバかったんじゃない?)』
と、私にまりんが小声で聞いて来て。
興味津々の目をこっちに向けて来る。
私は何もしてないと首を横に
振ってまりんに昨日の夜は
何も無かったと伝えたら。
まりんは自分の口を手で押さえて
驚いた顔をしてたんだけど。
実際に…何もなく終わったん
だから…私は嘘はついてないし…。
『ふぅ~ん、そうなんだぁ…。
なゆたちゃんが可愛すぎて…、
最後までしてない感じって事?』
「でっ、でも…私が…こんな
感じでチビだし…いつも中学生に
間違えられるし…ッ…、子供子供
してるから…だと…思い…ま…すッ」
『そんな事ないと思うけどなぁ~、
だってヒカルもカケルも
なゆたちゃんの事トオルさんに
触らせない様にしてたし~?
んふふふ♡怪しいなぁ~、
だって君達…血が繋がってない
兄妹だもんねぇ~?だったら
ワンチャン結婚もアリって事でしょ?』
ニヤニヤしながらまりんが
こっちにそう言って来て、
私は兄妹で仲良くできたら
いいな…とは思っていたけど…。
さすがに…結婚とか…は…
全然想像も…出来ない感じで…。
リンゴーンリンゴーンと
私の頭の中で綺麗な青々とした
芝生の敷地に立っている
小さな白壁の教会が出て来て。
その教会のドアが開かれて
ウエディングドレスを着た
私を…誠さんが…エスコートしてくれて。
バージンロードを歩いて進むと。
牧師さんが奥のステンドグラスの前に
にこやかな笑顔で立っていて
タキシードに身を包んだ
新郎はこっちに背中を向けていて
その顔は見ることが出来なくて。
ゆっくりと…背中を向けていた
新郎が…こちらに振り返って。
その顔は逆行で見えなかったんだけど…。
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