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スイーツ・スイーツ

第3章 攻防戦の果てに

「恨んでるわよ。恨まないわけないじゃない……でも、許すしかなかった」

やっぱり、答えは変わっていなかった。

「ありがとうございました」
菫が礼を述べた。

「そうよ、もう私は完全に若葉を許してる」

もう一度、言うわ……ありがとう、お姉ちゃん。

「でも、瞳のやることは許せない。絶対に瞳を止めてみせる」

今から瞳の家に行く、手がかりを探すと言って、お姉ちゃんは出ていった。
松葉杖なのに、無理しなきゃいいけど。

「さて、私から質問があるんですが、答えてもらえますか?」
急に何を言い出すんだろう、菫ちゃんは。

「入江先輩、どうして今日は学校を休まなかったんですか? 学校に来れば襲われるんですよ」

なんだ、そんなことか。

「簡単よ。
皆勤賞をねらってるから休みたくなかった。それだけ」
「皆勤賞?」

わかりやすい拍子抜けする娘だな。

「それに、石橋瞳、恐るるに足らず、正当防衛で返り討ち。というわけだ」
鏡子の発言に、目からウロコだった。
──現実的ではないが。

「わかりました。
では、もうひとつ。
本筋とは関係ないんですが、清水先輩は、昨日、テスト前に勉強を見てやる、と言いましたよね。
よほどの自信がなければ、こんなこと言えないと思うのですが、ほんとのところはどうなんです」

鏡子のバカ。何を口走ってるんだ。

「覚えてたんだ。……私としたことが」

責任とれよ、鏡子。

「まあ、私こと清水鏡子は、学年2番の成績をおさめているから、あながち無責任な発言じゃないとは思うよ」

「2番……」

知らないほうがよかったね。

「1番が気になるでしょ」
「あ、はい」
「そこにいるんだよな」
「ええー!」

はい。学年トップは、入江若葉というんです。

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