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2人きりの夜から

第9章 9

「あお」

お兄ちゃんだ。

「ご飯だって、降りてきて」

「はーい」

「入るよ」

「え…」

お兄ちゃんが部屋に入ってくる。

「大丈夫?あお元気ないって母さん言ってたよ」

「ううん、大丈夫だよ」

「そうか?横になって何か考え事でもしてたんだろ。何かあった?」

「うーん、なんでもない」

「言えない?」

「そういうわけじゃないけど」

「話したくないならいいよ、とりあえずご飯だから。」

「ありがと、すぐ行くね」

無理して聞き出そうとしてこなくてよかった。

こんなこと言えないもん。

いけないことしてるんだから、その分自分に降りかかってくるんだよね。

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