
──拝啓、支配様
第3章 3
チュンチュンと小鳥が鳴いている。
外は晴れやかで、清々しい朝だ。
だが僕は、昨日一睡も出来なかった。
気付けば朝になっていた。
眠れるものじゃない。眠れる訳がない。こんな状態で─────。
それでも歯を磨いて学校に行く。何かに操られるように、義務感に駆られるように、言うことを聴くように。
朝食は要らないと、手短に断った。
食べる気がしない。何より───────。
僕は一刻も早く真実を確かめたかった。
電車に乗って昨日より早く学校に着く。まだ生徒どころか、教師だって疎らにしか居ない、そんな時間。そんな時間の文芸部部室────。
部室棟に人の気配は無く、勿論部室も機能して居ない時間だ。
誰も居ない。そんな時間に──────。
「こんな時間に呼び出してどうしたの?」
僕は彼……大寺幸人を呼び付けていた。
