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恋慕

第33章 古宿への道…


 祭は竹林に囲まれた道を掻き分け
川辺を探しながら竹で籠を作り山菜採り…

 だが…川の流れる音すら聞こえない…
仕方がないので小刀で竹を切り…
僅かな水を確保した…

 これはシャンからの知恵だった…

 シャンは…横笛師を目指していたから…
幼い時…僅か一時だったが…

 横笛を作る時…竹の枝を切り…
即席で曲を奏で…くぅと…皆で遊んだ…

 喉が渇けば…
竹に含まれている水分で喉を潤し
 刻を忘れるぐらいに遊んだ…

 懐かしい…逢いたい…


 祭はシャンを死なせ…蘇らせ…

 あんな姿に、させてしまって…

 大切な人を…この手で…

 瞼を閉じると…脳裏に浮かぶ…

 シャンの笑顔…

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