
シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第3章 セカンド・アタック!
結局、シャワーを浴び終わっていたザックは再び哨戒活動に駆り出され深夜の時間まで基地に居残ってしまった
ようやく解放されたとき、マットが待ち構えていた
「なんだい、マット?今日は帰らさせてくれよ」
「そう言うな、俺の弟みたいなもんだろ?
そろそろスージーも勤務が終わるんだ
メシに行こうぜ?」
いつも基地内の食堂で食事を済ませているザックだが、マット夫妻に誘われない限りレストランへ行くことが無い
しぶしぶ付いて行くことになってしまった
医療エリアでスージーと合流してから3人は基地を出た
基地の外壁には“連邦軍は出て行け”と落書きされている
基地反対の民間人がペイントしたに違いない
25バンチコロニーは元々民生コロニーであったが民間人の大半は移住させられ廃棄コロニーとなった
そこを軍が訓練コロニーとして運用する事になる
「別に俺達が奪い取ったわけじゃ無いのにな」
マットは愚痴を言いながらコロニーの外壁を走る無人エレベーターに乗り込んだ
「マットはこの外壁エレベーターが好きね」
「ゆっくり宇宙が見れるからなぁ」
「ほとんど暗闇じゃないか
それにモビルスーツのディスプレーのほうが明るく調整されてるからもっと見やすいだろ?」
「わかってねぇなぁ、本当の宇宙の姿が見れるのはここだけなんだぜ?
ディスプレーは可視化データだから本当の宇宙じゃない、アレは人工的に作られた映像なんだ」
「そんなもんかね?」
「ザック、笑わないで
マットは地球育ちだから今でも宇宙が珍しいのよ」
「田舎者みたいな言い方するなよ?
まぁ、本当に田舎暮らしだったけどな」
ザックは外壁エレベーターから眺める宇宙の景色に目が離せない
まるで少年のようだった
