シャーク×ロストコロニー みにくいケイトはもう逃げない
第2章 25バンチの訓練コロニー
翌朝、ザックがベッドで眠りから覚めるとリストバンドの端末にシグナルが光っていた
サイドテーブルの上のタブレット端末を取り出す
メールが数件届いている
その中で同僚のパイロット仲間マットからのものが紛れていた
夜勤明けのマットが朝食を誘ってきたのだ
マットからは夕食になるだろうが、ザックには入れ違いの朝食タイムだ
用意をして待ち合わせのレストラン・カフェに出向いた
マットと奥さんのスージーも同席していた
「おはようザック」
「こんばんはマット、スージー」
ザックはコーヒーとトーストのモーニングとビーンズを注文し、夜勤明けのふたりは合成ハンバーグのセットを頼んでいた
「ごめんなさいね、ザック
ゆうべは放り投げてしまって!」
「いや、いいんだ
緊急事態みたいだったしね
マットのほうはどうだい?残骸回収は順調だった?」
「いやいや、あんなデブリだらけの空域
全部回収するのは1年後だ!」
「ふうん、じゃあ今日の俺はゴミ掃除に明け暮れそうだな
スージー、ヒプノダイバーで何か得られたのかい?」
「あら、どうしてザックが専門機器を知ってるの!?」
「あの場所に居た男、たぶん軍のスパイだと思うけどね、彼に警告されたんだ
たぶん、俺は目をつけられたようだね」
「カプセルを回収した本人だし、内密な救助活動も知られたからだわ!
私がザックを誘ったから、
本当にごめんなさい」
スージーは気落ちしてしまったようだ
「いや、遅かれ早かれ目を付けられたと思う
関係者が限られてるだろ?
救助された親子と俺だけだからな」
「何か脅されたの?」
「保安部に顔を出せ、とだけね」
「ハァ、ホントごめん」
「気にしないでよ、それよりヒプノダイバーの成果はあったのかい?」
「まぁ、そうね
関連があるかどうかはこれからだと思うけど、患者の深層意識にトラウマらしき事例が見つかったぐらいよ」
「トラウマ? 過去の?」
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