慕情
第20章 幽蘭の想い
すると幽蘭は眠りに就き…
神楽は姫利と王華に目配せをし…
王華は幽蘭を背負い…姫利は幽蘭の足首を
残り僅かな神仏の力を使い応急処置…
「厭だ…厭だ…神楽先輩は…あたしの物…
誰にも…渡さない…」
幽蘭は
涙を流しながら寝言を言っていた…
姫利と王華は視線を合わせ溜め息を吐き
幽蘭の寝言を聞き複雑な心境だった…
これは明らかに幽蘭の嫉妬だ…
幽蘭が目覚めた時
どうする事も出来ない励ます事も…
ましてや幽蘭は恋い焦がれている人に
名前すら覚えて貰えず呼んで貰えず…
姫利と王華は、そう悩んでいると…
「おい…神楽が四神の囮になっている…
今のうちに行くぞ…
そいつを救護班に連れて行く…」
宵闇が姫利と王華に声をかけ…
神楽だけを置いて、その場を立ち去った…
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