慕情
第36章 憔悴…
【憔悴…】
あれから…
どれくらいの刻が過ぎただろう…
神楽は幽閉され…
飲まず食わずの日々…美しい容姿はなく…
髪と衣は乱れ…痩せ細り…
見る影もなく…常に独り言を呟いていた…
神楽は老師様に広場に呼ばれ枷を
付けられたまま…護衛に支えられ跪く…
姫利と王華は神楽を見ていられず
心配になり駆け寄ろうとするが…
老師様と貴殿様に呼び止められるが
二人とも言う事を聞かずに…
「神楽先輩…神楽先輩…」
姫利は神楽に抱きつき…
「神楽先輩…俺らの事…分かりますか…?」
王華は涙ながらに神楽に声をかける…
「…お前らは…誰だ…俺は…誰だ…?
分からない…分からない…幽蘭は…何処だ…
抱きたい…抱き潰したい…孕ませたい…
俺と幽蘭の御子は生きているのか…?」
神楽は別人になっていた…
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える