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12歳年下の彼とクリスマスする話

第7章 決戦は土曜日に…


1万円の会費と引き換えに、
木で出来た小さな
3センチぐらいのハートの
チップを受け取った。
この後に人前式での結婚証明書で
ハートドロップスをするので。

チャペルの前にテーブルを
設置しているから、
自分の名前やイニシャル。
今日の日付やメッセージを
好きに書き込んでくださいと。
受け付けの人に説明を受けて。

私のすぐ後に受付をした、
あの迷子の彼女と一緒に
係の女性に案内されて
レイン邸の2階にあるチャペルに移動する。

『て…言うか…ビックリです~。
お屋敷の中に、チャペルも
あるんですね…、知りませんでした』

私も…1.5次会って聞いてたから
そんな本格的なチャペルで、
人前式があるとは…思って無くて。

白い壁と天井と…木目の装飾が美しい。
小さいながらに静謐な空気のある
空間だった。
チャペルの中の通路を挟んで
3人掛けが対で配置されていて。
50以上は…入れる感じであるが。
その列席者で半分以上は埋まって居る。

『蛯名さんと、友坂様はこちらに…』

そう言ってチャペル正面から右側の列の
前から3列目の奥に私を手前に蛯名と
言う名前らしい迷子の彼女を案内してくれて。

『生田の方は後程…こちらに参りますので』

と…、案内してくれた女性が、
私にだけ聞こえる様に小さな声で
言ってくれたので、ホッとしていると。

『あぁ~っ!!じゃあ、女神様が
あの、院内で噂の生田さんの彼女!』

そう…、1つ飛ばした席に
案内された迷子の彼女こと、
蛯名が大きな声で言った事で。
周囲がざわっとざわめいて。

さっきから…周囲からの視線が
チクチクと…突き刺さる…様に
感じる…のは気のせいではないはず。

そう言えば…一番前の
最前列は…まだ空席のままで。
一番重要な来賓がまだ
到着してないみたい…だった。

『おおぉ~、これは驚いたなぁ…
こんな本格的なチャペルが
異人館の中にあるなんてなぁ。
おお、誰かと思ったら、3病棟の
石田さんじゃないか、おおっ、
そっちの美人は…外来の小田さんか…。
ははは、皆白衣じゃ無かったら
大分イメージが違うなぁ…』

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