
はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第22章 『初めての彼女』
『先生、そんな事実はありません…。
彼女とは確かに付き合ってはいますが。
僕は彼女を家に夜中に呼び出したりも
した憶えはありませんし、それに…
お互いに通っている塾は違いますが、
僕は彼女が塾の日は僕も
学習塾に通っていますので。僕の証言が
嘘だと思うんだったら僕が通っている
学習塾に問い合わせて貰えませんか?』
それでは失礼しますと、
生徒指導室を後にして。
まだ昼休みは終わって無かったので、
彼女のクラスに彼女本人から
話を聞こうと…向かったが。
もう…柏葉陽詩は今日は
体調不良で早退して帰ったのだそうだ。
柏葉にLINEをしてみたが、既読にならない。
違和感は…あった、確かに感じてた。
ざわざわと…胸騒ぎが…する…、
あの時から感じてた…違和感。
自分の中でバラバラだったピースが…
1つに…組み上がって行く…のを感じた。
一旦自分の教室へと向けた足を、
僕は生徒指導室へと返して。
ガラガラと生徒指導室のドアを開いた。
中に居た生徒指導の村岡先生は、
勢い良く出て行った僕が戻って来たから
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが。
