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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。

第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』


そこに立っていたのは…
ここの、従業員さんじゃなくて。

従業員さん風の声のトーンで
こっちに話しかけて来たから
こっちもそうだと思い込んでたけど。

『真奈美ちゃん、
お風呂行くってさっき言ってなかった?
これ、…忘れてたでしょ?バスタオル。
お風呂に行く前に、さっきの2人と
軽く、汗掻く予定だったりとかした?
お邪魔したんだったら、御免だけど。
流石にこの時間から汗掻く事してたら、
大浴場閉まっちゃうんじゃない?』

「じっ…、仁さんッ…?どうして…ッ
さっき…寝てたんじゃ…」

『いや、寝てたけど…さ…。
お風呂に行くって真奈美ちゃんが
言ったのが…聞こえたから』


ーー
ーー
ーー


そのまま…今…、
旅館の廊下の真ん中で
真奈美ちゃんに僕は抱きつかれ。
…もとい、そのまま…
泣きつかれてしまってるのだが…。

『仁さん…っ、
来るの…が、遅いんですッ…』


「いや…それは…僕に言われても、
真奈美ちゃんが1人で
お風呂に行ったからでしょ?
あ~、まぁ…、真奈美ちゃんが
それだけ可愛くて
魅力的だった…って事だよ、ね?
ほらほら…お風呂に入りに
行くんじゃなかったの?」

こうしてる間に…大浴場…、
閉まちゃうと思うんだけどな。

『後…、仁さんは
…色々…狡いですよぉ…っ…』

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