
マッチ売りの少女と死神さん
第5章 1月2日…だからってXXは無理です
「サラちゃんは痛いのが好きだって何度も言ってるのになあ。 だってほら、泣いて嫌がってたのが一日でもうグチョグチョだったもんねえ」
「あっあっ…いや…そん……」
「僕がサラちゃんの全部犯してあげる。 嬉しい?」
「や…ホーリーさ……っ」
サラの耳まで赤くなる。
彼の言うとおり体はもう、とうに快感に支配されている。
そしてこの先の官能の扉を開くその鍵は、彼女にとってホーリーだけが持っているに違いない。
「言葉だけでもイッちゃいそう?……さっきみたいに」
「えっ……?」
思わず振り向くと同時に、サラの腕を取って上体を起こさせたホーリーは彼女の体にタオルを巻き付けてから抱き上げた。
さっき? あの時はまだ私一人でいたんじゃ……? サラは不思議に思った。
「あ、あの。 ホーリーさん…いつから覗いてたんですか?」
「最初からいたよお。 キッチンのシンクの下に。 僕、なぜか暗くて狭い場所って落ち着くんだよねえ」
(シンクの下………?)
室内に足を踏み入れてあらためてそこを見た。
それはサラでも体が入るかどうかという微妙な大きさの収納棚。
「けどさあ、あれだけ狭いとサラちゃんのアンアンって声聞きながら、アソコガチガチなっても扱けないんだよねえ」
ホーリーのどうでもいい話を聞き流し、
(きっとホーリーさんを三つぐらいに折りたたまなきゃ、あんな所には入れないわ。 はっ…死神って、もしかして猫か何かが混ざっている?)
その間、サラも結構どうでもいいことを考えていた………
「ここに来る前、半年も禁欲してたの思い出したなあ……僕ってこうみえても、かなり我慢強いんだよ」
とそんなことをホーリーが言い、サラをやや乱暴にすとん、とベッドに落とす。
「っ」
マットが弾む反動でサラが目をつぶり、次に開けた時に、間近に彼女を覗き込むホーリーと目が合う。
