君と優しさはずるい
第9章 初めての出会い
あれは何年前だろうな……、確か俺が15か16の時…高校に入学してすぐの出来事だったかな
12年前
俺は心臓に病気を持っていた。中学2年の時に発病して1度入院して日常生活には問題ないぐらいまで回復した。月に1度の定期検診があり、運動や激しい動きは禁止されていたが
そして高校に進学した。中高一貫なため特に受験勉強をしたという感じでは無いが、入院していた分を取り返そうと勉強は頑張っていた
そして入学して1週間ぐらい経ったある日心臓にいきなり痛みが走った。懐かしかった。この痛みがすぐに発作だと気づいた
その時は体育の授業で俺は見学していた。薬も飲んでいた。激しい運動もしてない。本当に前触れもない発作だった
俺はそのまま意識を失い、病院まで搬送された
幸い、小さな発作だったため入院期間も短かった。入院中に詳しい検査を受け病院に結果を聞きに行った
この時はまだ気づかなかったが、俺を担当してくれていた先生は後に俺の親友となる優真の父だった
先生から言われたのは、再発そして、病状が悪化している。これから発作が頻繁に起きると予測されるから入院して発作をコントロールしよう
そして俺の病気は病状が進みすぎていたため内科的治療では完治することはなく、手術も難しい。移植を視野に入れた方がいいと
俺は現実が受け入れられなくてとりあえず検査結果の紙を握って家に帰った